<概要>
ブロードウェイの伝説的ミュージカル「コーラスライン」再演を前に行なわれた、8か月間に渡る出演者オーディションに密着したドキュメンタリー。親友と一つの役を争う日本人ダンサーや、審査員に涙を流させるほど魅了する者など、栄光と挫折のリアルなドラマが繰り広げられる。またこの物語のスタートとなった、貴重なカセットテープや当時の出演者たちの証言も公開。初演時の衝撃や熱狂を知ることができるとともに、現在のダンサーたちの熱い思いから、この舞台に上がる夢の大きさが存分に伝わってくる。
<あらすじ>
ニューヨークの街角に、アメリカ各地、果ては国外から集まったダンサーたちによる長い長い列ができている。彼らの願いは、16年ぶりに再演される伝説的なミュージカル「コーラスライン」の舞台に立つこと。応募者数3,000人、最終選考まで8ヶ月、そして選ばれるのはわずか19名という過酷なオーディションが、ついに始まる。ブロードウェイ史上初めてカメラが捉えたその舞台裏には、想像を遥かに超える過酷な闘いがあった。代役候補から8ヶ月の間にめきめきと成長し、有力ダンサーの強力なライバルとなった新人。ほぼ手に入れた役を最後の瞬間に新鋭にさらわれる一流ダンサー。最終選考で互いの努力を知り尽くす親友とひとつの役を争うことになった日本人ダンサー。長きに渡るオーディションに挑み勝ち抜いていく者、敗れ去る者、それぞれの夢、希望、葛藤…。彼らダンサーたちの生の姿は、人生が変わる瞬間の光と影のドラマに満ちている。筋書きのない真実のストーリーが、圧倒的な迫力で見る者の胸を打つ。

泣けます。何か分らないけど、圧倒的な力を持って押し寄せてくる。ダンサーにしか分からない苦しみ、しかしどこか私たちに通じるところがある。最終選考は本物のコーラスラインの公演と同じ様式で行っている。キャシー役候補のシャーロットの元バレエダンサーのお父さんの話が凄く印象に残ってる。
「体操の選手なら肩を壊してもオリンピックに出るだろう。農夫なら両手に硬いタコをこしらえても畑を耕し続けるだろう。体の傷は報いだ。明日の事は分らない。だから毎晩が舞台の初日であり千秋楽でもある。ダンスは自分の全てで‘宇宙’だ。最も辛いのは踊れないこと。重症の怪我をし負って‘もう踊れない’と言われた。辛かった。’私はダンサーだ’と認識始めたときに踊れなくなった。‘じゃあおまえは誰だ’(中略)だから私はコーラスラインが好きだ。愛した日々に悔いはないから。」
ひたむきに、一心にただ踊りたい気持ちはダンサーとして皆同じで、仲間でもありライバルでもある。こんなに熱くなることあったかな。そういえばこのカンパニーが去年の夏に来日公演してましたね・・・。何故見なかったんだろ。あー・・コーラスライン見たいなあ。普通に面白い、でも泣ける。わたしこういう作品が好きらしいとやっと気付いた。