赤裸々

父親が、1か月ほど前癌宣告を受け、余命3カ月から6カ月とも告げられました。
食道癌、ステージ4のA
医療に詳しくないので何とも言えないけれど、少なからずヤバいということは分っていたので、母親から父親の余命の話を聞いた時には然して驚くことはありませんでした。(癌宣告の話を聞いた暫く後に余命宣告の話を聞きました)
家の人から父親の様子が可笑しいという話は去年の夏から聞いていて、何度も病院に行くように母親や妹だけでなく、父の兄や姉からも言われ続けたにも関わらず頑なに病院に行こうとせず、気付いた時には水すら喉が通らない。そして病院に行き即入院。手術はできないそうです。今は形としての抗がん剤治療を受けているとか。私は正直なところ、なんて愚かな人なんだろうかと娘ながらに思ってしまいました。病院で医師の治療を受ける際に実は1年前から体の異変はあったということ、それを家族には言わず(言えず)、良く行く喫茶店のママには話をしていたということに愕然としてしまいました。確かに心配をかけたくないという思いはあるかもしれない、でも入院するまでの最後数カ月は誰が見ても確実に痩せ細って、食事も喉を通らず戻すという状況を目の当たりにしている中で、それでも病院に行こうとしなかった父親は一体何を考えていたのかと、こちらとしては腸が煮えくりかえるような思いもあります。
食道癌のイメージとして、煙草を吸い酒を飲む人がなりやすいとあるのですが、まさに父親がその典型で、喉の違和感を感じた後も毎晩の晩酌(というか飲み)は欠かさなかった。なんというか、自業自得だなと思うんです。冷たい人間だと思われるかもしれないけれど、私には父親が自分から死を選んだようにしか見えない。ただそれだけで周りが巻き込まれていく。母親の向き合い方も今一腑に落ちない。「まるで私はなんてかわいそうな人なのかしら?!」といった雰囲気を醸し出しているようで気に入らない。
今、私は実家に帰ることが出来ないので、何も言えないのが口惜しい。どうするのだろうか、これから先をとふと思う。1か月、3か月、半年、1年、5年、10年・・。先は長い、しかし短い。私自身もどうなるのか分らない。一つだけわかるとしたら、誰もが不安に思っているんだろうなという事だけ。これから先どうしようか。私は、どうしたらいいのか。

上記から見てとれるように、私は実家が嫌いな人です。理由は様々あるのですが、兎も角、だから今京都にいる。でもこれほど京都にいることを後悔したことはないなと今思う。妹が今年成人式だったんです。でも、このために行けなかったと。一生に一度の晴れ舞台、経験させてあげたかったなと思うんです。私が向こうにいたら、どうにかして行けたかもしれない、なんて思うんです。これだけは本当に。でも突き放すことしかできない。なんて馬鹿なんだろう。

私がこれを書こうと思った理由は、食道癌患者の生存率の低さを知ったからなんです。余命宣告を受けても、その後何年も生きている人はいる。しかし、再発をしたら生存率は格段に落ちる。まして今の父親の状況ははっきり言って医者にも見放されている。(=助かる見込みが無いに等しい)そんな中でも何もしようとしない、実家にも行こうとしない私を戒めるために書き残します。これは私の雑記帳。だから、そっとしておいてください。