遂に四季劇場を飛び出して、梅田芸術劇場で上演されてる劇団☆新感線蛮幽鬼」を見に行きました。あの新感線、しかも今回はあの堺雅人さんが出演されてるということで見たくて見たくて見たくて・・・見れた!あの「新選組!」から早5年・・・あの笑顔の裏には何かがあると思っていたのになあ・・。(私は高校まで大河ファンでして、新撰組!が全盛期です。)

遠い昔。
豪族が群雄割拠する中、ようやく一つの国になりつつある島国・鳳来の国と、長い歴史を誇る大陸の国・果拿(かだ)の国があった。 鳳来の国の若者四人は、国をまとめるための精神的支柱として蛮教(ばんきょう)を修めるために果拿の国に留学するが、その中の一人、伊達土門(だてのどもん)【上川隆也】は無実の罪を着せられ監獄島に幽閉される。
10年の歳月が流れ、閉じ込められていた土門は脱出を試みようと壁を掘り進めるうちに、鎖で壁につながれた男がいる牢にたどり着く。 土門に助けられた男【堺雅人】は復讐に協力することを誓い、二人で脱獄する。
それから一年ほどの後。
鳳来の国では、飛頭蛮(ひとうばん)という僧が唱える新しい蛮教が興隆をみせていた。 その飛頭蛮を、大王の后が、彼女を守護する刀衣(とうい)【早乙女太一】を伴って訪ねてくる。 その后とは、土門と将来を誓いあった美古都【稲森いずみ】だった。

果てしなく重く、悲しい復讐劇の話でした。救いようがない、本当に救いようがない。1幕はまだまだそこまで重くなく、楽しかったんですけど、2幕特にラストはスパート掛けるかのごとく悲劇が悲劇を呼び、裏切りに裏切りを重ね、そして憎しみは絶えず連鎖していく・・・。人間の脆さ、危さが垣間見えて。胸が締め付けられるような、息をのむ間もなく、ただただ物語は進んで行きました。

上川隆也さん、私の中では大河ドラマ山内一豊のイメージが強かったんですけど、なんかもう全然違いました。剛のイメージ、なんというか。言うほど復讐目的で脱獄したようには見えなかったけれど(笑)殺陣が予想より凄かった。身軽身軽。歌も歌ってました。びっくらこいた。いやでも素晴らしかった。監獄島と最後のシーンあたり特に。狂った演技、すごい。
稲森いずみさん、どんなふうなんかなーってちょっと思ってたんですけど、予想を上回った。一幕での可愛らしい、籠の中の御姫様から、二幕での大王としての立ち居振る舞い、素晴らしかった。大王って立場って、特に女帝となると、権威を見せようとして自分を見せかけてしまうんだろうなと、なんかふと思いました。自分の持つ力以上を見せようとして、結果力及ばず崩れる。
堺雅人さんは思ってたより堺雅人さんでした。ある意味裏切らない、ある意味裏切ってほしかった、イメージ通りかなって、ちょっと。ひょうひょうとしたキャラとは思わなかったけど、でも堺さんだなーって。最強の暗殺者には見えなかったです、はい。早乙女さんのが強そうに見えたけど。
早乙女太一さん、美しかった。殺陣も流れるように、舞うようにバッサバッサと敵をなぎ倒していく姿、本当に美しかった。でも演技となるとちょっと埋もれるなーって。人気あるんですね、早乙女さん出たら皆一斉にオペラグラス使ってました笑

劇団☆新感線、本当に全く知らないんですけど、素晴らしい俳優さん沢山見えるんですね。橋本じゅんさん最高に面白かった!市橋容疑者までネタにしていて。南港いたのは太刀魚が最盛期だからなんですねwwでもそういったネタフリの時と、芝居に入った時のギャップが凄まじくて、最後のシーン、鬼気迫る演技が素晴らしかった。あと、高田聖子さん、めちゃくちゃ歌上手いですね・・。高田さん一人で歌えばいいのにとか思った程。村木よし子さんも、面白かった。最高!高槻出身なんですね笑

初めはめちゃくちゃ楽しかって、舞台ってこんなんなんや〜と思いつつ、タモリ締めあってどうしようかと思いつつ、若干2,3階席置いてきぼり感ありつつ、でも段々言いようのない苦しみが伝わって、お前が黒幕なのかと驚き、最後は感動して、凄く良かった。

なんかの話に似てるな〜って。パンフに載ってる話ではなくて。なんだろう?あと設定が古代の日本の女帝が君臨した時代をかけ合わせたような(大化の改新宇佐八幡宮神託事件あたり)話だな〜って。なんとなくね。

四季出身の女優さんが2幕初めに諸注意してるんですけど、それが四季節ばりばりで面白かった。ネタにしてしまうかそこも。

もっと早く新感線知りたかったと本当に楽しかった。これ見ちゃうと、四季つまらんくなりそうで・・・。いや作品が好きだからいいけどね。再来週ウィキッドです。開幕週に行きたかったけど、まぁ仕方ない。