ノートルダムの鐘 京都公演 2023年3月4日

京都劇場で公演中のノートルダムの鐘を見ました。


ノートルダムの鐘は名古屋公演以来5年ぶりくらい?やっぱりメッセージ性の強い作品だと思う。人間は怪物なのか、なにがモンスターなのか、人間とは何か、人間が人間たる故の知性や強欲さは人間を堕落もさせ、もしくは聖者ともさせる。いやでも聖者であるというものは本当に聖者なのか。誰しもが持ちうる愚かな感情なのか・・、と。

ノートルダムって人間の七つの大罪をこの2時間で描き切っているんだよね。
差別、偏見、人間の醜さを描いているのはもちろんなんだけど、作品の舞台の通りのキリスト教の教えを強く描いている。(まあだから海外ではあまりもう上演できないだろうなと思うし、ディズニーの方針から外れた作品ではあると思うけど)これを犯したからフロローとカジモドは死んでしまったんじゃないかと思っている。フィーバスにはそれがないんだよ。(エスメラルダは事故死に近い)実は一番愚かさを持ち合わせていないのはフィーバスだけなんだよな。まっすぐな人間というか。カジモドに対しても普通だし。

エスメラルダとカジモドが再会して歌う「世界の頂上で」があまりにも美しく無垢な世界で、歌声を聞いているだけで、楽しそうな二人を見ているだけで涙が止まらなかった。本当に美しい歌だった。アンサンブルの二人を見守る姿と歌声も優しくて優しくて、このシーン、前回見たとき全くそんな印象なかったのに・・・っていうのは結末を知ったからかしら。
山崎さんと飯田弟くんの歌声が本当にマッチしていて聞いているだけで幸せだった。

飯田達郎カジモドは前回見たときよりも演技がほんっとうに良くなっていて、最後にフロローと対峙するときの怒りの感情が恐ろしくやるせなく感じる。オープニングから最後までに変化していくカジモドの姿を見ると、出会わなければ純心なままで、ガーゴイルたちと美しく歌を歌う世界の中で生きることができたのにな・・・と思ってしまう。

山崎エスメラルダ!歌が本当に美しい!演技も良い!!!美人!!!!という3拍子。エルファバ期待したい。あーちゃん路線な雰囲気を感じるんだわ。

アンサンブルが良いんですよ。この作品、アンサンブルがほんっとうに良くて。言葉で背景を伝えることに重きを置いているから、うまくないと説教臭くなってしまう。棒読みでも伝わらない。結果的にうまい人しか入らないという・・・。いやほんとうによいんですよ、ノートルダム

佐久間フィーバス。佐久間さんが感情むき出しで舞台に立つ姿を初めて見た。泣いていたんだよ、エスメラルダとの別れシーンで。びっくりした。

ほんとうにアンサンブルも主演陣も良いのでまた見に行こうかとチケットを取ろうとしているけど憚られるものもある。たぶん次見るときはカジモド&エスメラルダが変ってるんだよな、きっと。
(3週~4週交代が定番になってるから検討ついて良いわね、今は。昔は大変だったよねえ。。。)