贔屓の役者が退団した話

劇団四季で好きな役者は過去から現在まで何名かいるけども、そのうちの一人で、若手のころから見てきた方となると飯田洋輔さんがあたる。
その彼が劇団四季を2023年12月31日に退団した。

私が劇団四季を見始めた15年以上前は、退団者の情報なんて皆無で、ネットの藻屑の中から情報を拾いあげ、退団されていたのか・・・!ということを数か月、数年後に知ることばかりだった。
一番衝撃的だったのは濱田めぐみさんの退団。(保坂さんや石丸幹二さん、光枝さんたちの退団騒動の1年後くらいに劇団四季を見始めている。)
あの時どうやって情報を手に入れたのか覚えていないが、大阪アイーダを最後に退団すると知った。そのあとすぐにホリプロへ入り個人で情報発信をされていたので、行方不明状態ではなかったが、当時の劇団四季の役者は退団すると一時的に行方不明がセオリーだった。

あれから10数年の時を経て、劇団四季の役者が個人でSNSで発信することが許され、退団後すぐに情報発信することができるようになった。
そして飯田さんも同じくご自身のSNSで退団の翌日に発信された。

初めて舞台で拝見したのは2009年の美女と野獣京都公演での野獣デビュー直後。その歌声に心惹かれ、いつかファントムを演じられるのだろうと思い劇団四季でステージに立つたびに見に行っていた。
美女と野獣の野獣、キャッツのアスパラガス/グロールタイガー、オールデュトロノミー、エビータのチェゲバラオペラ座の怪人のファントム・・・たくさんとは言えないけども拝見できた。(美女と野獣をもっと見ていると思っていたけども、意外と数は少なかった)

ファントムとして登板されたとき、満を持して!という気持ちと、ああこれで、劇団四季で演じる役はなくなったと感じた。役付きが良い方ではなかったと思う。弟の達郎さんが先にオペラ座の怪人でラウルを演じたときに、なぜ?と思った時もあった。(当時思った人がいたのではないだろうか。ましてあの頃のラウルって北澤さんと鈴木涼太さんが筆頭だったので)
劇団四季の演目で、芸大の声楽科出身の方が主演を演じる作品は、少ないと感じる。ましておそらく今40代を迎える彼が演じれる作品があるだろうか。

オペラ座の怪人は一つのゴールになってしまった。彼自身の目標でもあっただっただろう。ましてまだ若い年齢である。
おそらく東宝も次の世代のジャンバルジャンを探しているだろうし。

個人的には劇団四季ならばチケットを探せば簡単に見に行けたので、退団は辛い。が、現状がオペラ座の怪人とキャッツのオールデュトロノミーだけならば外部で存分に力を発揮してほしいと思う。劇団四季で力はつけただろうが、如何せんもったいない使い方しかできない。

まだ若い年齢なのだからもう一度ビーストを見たいと願っていたがそれが叶わず無念。作品契約で劇団四季でも演じてほしい。そしてほかの退団した劇団四季の役者のようにはならないでほしい。石丸さんや吉原光夫さんのように活躍してほしいと願うばかり。

ファントムを見に行った時、調子悪かったのが本当に悔やまれる。最後の登板の時、見に行けばよかった・・・。ほんっとうにヘマしました。

贔屓の役者は追えるときはとにかく追え。それだけは言いたい。